「聴く読書」の魅力が広がる中、その世界に彩りを添える声の職人たちがいる。今回は、オーディオブック界で注目を集める朗読家・岸本愛(きしもと あい)さんの魅力に迫ってみた。
物語に命を吹き込む声の魔術師
プロダクション・エースに所属する岸本さんは、多彩な声色と豊かな表現力で、静かな熱狂を呼んでいる朗読家だ。特に児童文学の朗読において、彼女の才能は一際輝きを放つ。
「最初は私も朗読の難しさに戸惑いました」と笑顔で語る岸本さん。インタビューでは謙虚な姿勢を崩さないが、ひとたびマイクの前に立つと、その声は物語の世界へと聴き手を誘う魔法の杖となる。
代表作「四つ子ぐらし」シリーズ
岸本さんの名を広く知らしめたのが、ひのひまり作「四つ子ぐらし」シリーズだ。別々の環境で育った四つ子姉妹が、再び一緒に暮らし始める心温まる物語。
「四姉妹それぞれの個性を表現するのは、最初は本当に難しかったですね」と岸本さん。しかし、その苦労を感じさせない見事な演じ分けは、まるで複数の声優が集結したかのような錯覚を聴き手に与える。
30代の女性リスナーは「子どもの頃に読んだ好きな本を、今度は娘と一緒にオーディオブックで楽しんでいます。岸本さんの声のおかげで、娘も物語にすっかり夢中です」と話す。
広がる活躍の場
「四つ子ぐらし」の成功を足がかりに、岸本さんの活動領域は急速に拡大している。
「虚構の家」シリーズや「天才発明家ニコ&キャット」シリーズの朗読、「四つ子ぐらし」のボイスドラマ版、映画「レプタイル-蜥蜴-」の吹き替え、さらには日本テレビ「世界一受けたい授業」でのボイスオーバーと、そのキャリアは多岐にわたる。
声で紡ぐ物語の世界
岸本さんの朗読の魅力はどこにあるのだろうか。長年のオーディオブックレビュアーを務める佐藤氏は「キャラクターへの深い理解と、それを自在に表現できる技術のバランスが絶妙」と評する。
実際に「四つ子ぐらし」を聴くと、姉妹それぞれの声はもちろん、登場する大人たちや友人たち、さらには場面ごとの感情の起伏まで、すべてが一人の声優によって表現されていることが信じがたい。
「物語の中には、言葉だけでは伝わりきらない感情があります。それを声で補完できるのが朗読の醍醐味です」と岸本さんは語る。その言葉通り、彼女の声は文字の隙間を埋め、物語により豊かな色彩を与えている。
子どもたちの読書推進に貢献
教育関係者からも注目を集める岸本さんの活動。小学校の国語教師である山田先生は「活字離れが懸念される今、岸本さんのような朗読家の存在は大きい」と話す。
実際、山田先生のクラスでは、朗読を聴いた後に原作本を手に取る児童が増えたという。「耳から入った物語が、子どもたちの読書意欲を刺激するんです」。
今後の展望
今や日本を代表する朗読家の一人となった岸本さん。しかし、彼女の挑戦はまだ続く。
「まだまだ表現できていない感情や世界観がたくさんあります。これからも一作品一作品に真摯に向き合っていきたい」。その瞳には、常に新たな表現を追求する情熱が宿っている。
オーディオブックという新しい本の楽しみ方が広がる中、岸本愛さんの声は、物語と人々を結ぶ架け橋として、これからも多くの人の心を揺さぶり続けるだろう。
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