8月15日、終戦の日。また今年もやってきた。日本武道館での全国戦没者追悼式。毎年同じような式辞が続いていたが、今年は違った。
石破茂首相がやりやがった。
13年ぶりだ。2012年の野田佳彦以来、誰も使わなかった「反省」という言葉を、石破がついに復活させた。
正直、俺は複雑な気持ちだ。60歳のwebライターとして、これまで散々政治記事を書いてきたが、この一言の復活がどれだけの意味を持つか、痛いほど分かる。
※今回の記事は朝日新聞の記事を参考にして書かせてもらった。
https://www.asahi.com/articles/AST8H3CCTT8HUTFK016M.html
この記事で分かること
安倍さんがこの言葉を嫌った理由
石破がなぜ今、復活させたのか
これから何が起きるのか
まず、この13年間何が起きていたのか
事実だけ整理しよう。
1994年から2012年まで、歴代首相は戦没者追悼式で「反省」や「深い反省」という言葉を使い続けてきた。村山富市が1994年に始めた流れだった。
ところが2013年、安倍晋三首相がこの言葉をバッサリ切った。代わりに「来し方を思い、しばし瞑目し、静かに頭を垂れたい」なんて回りくどい表現に変えやがった。
それから12年間、菅義偉も岸田文雄も、誰もこの言葉を使わなかった。まるで禁句扱いだった。
そして昨日、石破茂首相が復活させた。
安倍さんはなぜ「反省」を嫌ったのか
これは推測だが、安倍さんの「戦後レジームからの脱却」という思想と密接に関係していたと思う。
俺が羅臼で生まれ育った頃、まだ戦争の話をする大人たちがいた。祖父は満州から引き揚げてきた人で、「戦争だけはダメだ」が口癖だった。でも同時に「いつまで謝り続けるんだ」とも言っていた。
安倍晋三さんも似たような気持ちだったのかもしれない。
2013年8月15日の式辞を読み返すと、「反省」の代わりに「謙虚に向き合い」という表現になっている。微妙な違いだが、政治の世界では大きな意味を持つ。
中国や韓国がこの変化に敏感に反応したのも事実だ。ただし、具体的にどんな抗議があったかは、当時の報道を詳しく調べ直さないと正確なことは言えない。
なぜ石破は復活させたのか
毎日新聞の報道によると、石破茂首相周辺は「式辞の中で石破茂首相が力を入れた部分だ」と説明したという。
俺の推測だが、理由はいくつか考えられる。
まず、石破の政治的立場。彼は昔から安倍路線とは違う考えを持っていた。歴史認識についても、もう少しリベラルな立場だ。
次に、外交的な計算。特に韓国との関係はボロボロのままだ。北朝鮮問題もある。アメリカから「日韓関係をなんとかしろ」と言われてるかもしれない。
そして戦後80年という節目。このタイミングで何かメッセージを出したかったんだろう。
ただし、これらは全部俺の推測だ。石破茂首相本人に直接聞いたわけじゃない。
実際の反応はどうだった?
昨日の式典後、メディアは一斉に「13年ぶりの復活」として報じた。
国内の反応は分かれるだろう。安倍支持者からは「また自虐史観に戻るのか」という批判が出るはずだ。一方で、リベラル系からは「やっと戻った」という評価もあるだろう。
海外の反応はまだ分からない。韓国や中国の政府が何か声明を出すかもしれないが、現時点では確認できていない。
俺が思うこと
webライターとして20年以上政治を見てきて思うのは、言葉ってのは本当に重いということだ。
「反省」という一言で、外交関係が劇的に改善するとは思わない。でも、悪化することを防ぐ効果はあるかもしれない。
俺の故郷の羅臼は、ロシアとの国境に近い町だ。戦争の話はまだ生々しく残っている。そういう場所で育った人間として言わせてもらうと、戦争の記憶を軽く扱ってほしくない。
ただし、いつまでも謝り続けるのも違うと思う。大事なのは、過去を忘れずに、でも未来に向かって歩くことだ。
石破茂首相がこの言葉を復活させたのが正解かどうかは、これからの行動を見ないと分からない。言葉だけでは何も変わらない。
これからどうなるのか
正直言って、よく分からない。
石破茂首相は戦後80年談話を出すかもしれないし、出さないかもしれない。中国や韓国がどう反応するかも読めない。
一つ言えるのは、この「反省」復活が単なる言葉遊びで終わってはいけないということだ。本当に平和を維持したいなら、具体的な外交努力が必要だ。
俺たち有権者も、政治家の言葉に踊らされず、しっかりと行動を監視していかなければならない。
戦争を知らない世代が8割を超えた今、過去の教訓をどう伝えていくかは本当に難しい問題だ。でも、だからこそ真剣に考えなければならない。
祖父の「戦争だけはダメだ」という言葉を思い出しながら、俺はこれからも政治を見続けていくつもりだ。
参考にした主な情報源
主要参考資料
- 令和7年8月15日 令和7年度全国戦没者追悼式総理大臣式辞 | 総理の演説・記者会見など | 首相官邸ホームページ
- 石破茂首相の式辞全文 全国戦没者追悼式 – 日本経済新聞
- 石破首相、式辞に13年ぶり「反省」復活 全国戦没者追悼式(毎日新聞) – Yahoo!ニュース
- 安倍首相の式辞 全国戦没者追悼式 – 日本経済新聞
- 全国戦没者追悼式 – Wikipedia
- 令和3年8月15日 令和3年度全国戦没者追悼式総理大臣式辞 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
- 細川護熙 – Wikipedia
この記事は2025年8月16日朝に書いている。昨日の式典を見て、思うところがあって急いで書いた。事実関係は可能な限り確認したが、分析や感想については俺個人の見解だ。
筆:桜田 泰憲
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